ああ、愛しいかな。人の"声"
最近、声や話し方に深い関心を持たれる方が多くなってきているようで、
共感できる方とお会いできることが、とても嬉しいです。
私は、自分のことをよく "声フェチ" と言っているのですが(笑)
人の話を聴くことが好きで、その人の声の高揚に 感動して、
興奮したり、ちょっとした声の変化を とっても気にしたりしながら、
毎日耳に入ってくる音に一喜一憂している自分を楽しんでいます。
私は歌を歌っていますが、なぜいつも
「歌うことって、こんなに気持ちがいいのだろう?」と思います。
歌が、私たちに与えてくれるこのトキメキ。
それは、メロディからくるものなのでしょうか?
リズムからくるものなのでしょうか?
それとも、その人から発せられる 声そのもの からくるものなのでしょうか?
もちろんどれも私たちをワクワクさせてくれるものですが、
いちばんこの胸が響く感じは、その人の気、
つまりは、 声そのものから溢れるエネルギーからくるものなのではないでしょうか。
普段 あまり歌を歌うことのない人は、
話すことでしか 声を使わないかもしれません。
それは、「おはよう!」だったり
「ばいばーいっ」だったり
「ありがとう。」だったり。
周りの人に対して、
何かしらのコミュニケーションを持つために 声を使っていることでしょう。
その相手に対して、声を発するとき、
自分の声のトーンを気にされたことはありますか?
トーンという言葉が、あまりぴんとこない方もいらっしゃることでしょう。
トーンとは「調子」を表す言葉であり、
音や 色 などを表現するときによく使います。
たとえば、「この色のトーンは、もっと明るいほうがいいかな?」
「この映像には、もっと重たい感じのするトーンの音がほしいな」というように です。
色を扱うデザイナーや、音を創る音楽家は
いつも この「トーン」に気を配りながら仕事をしています。
それと同じように 人と会話をする私たちも、
自分の声のトーンに気を配ることができます。
「気を配ったほうがいいの?」
という 嬉しい質問が 聴こえてきそうです。
はい、気を配られたほうがいいです(^_^)
なぜならば、あなたの声のトーンには あなたの調子、
つまりは、あなたの身体や心の調子がそのまま表れてしまうからです。
うきうきしていると、声が高揚してきます。
いつもよりも ちょっと声が高くなったりして、
あれ?なんかいいことでも あったのかな? と相手は感じることでしょう。
恥ずかしいと、顔がうつむきます。
すると、声が小さくなって、なんだか もごもごとこもったような声になります。
もしかして相手は、そんなあなたを 消極的な人だな、と感じるかもしれません。
相手に言いにくいことがある状況では
緊張して喉が絞まってきます。
そんな状態で話をしようとすれば、苦しそうな声になり
聴いている側も 一緒になって緊張してしまうことでしょう。
このように、私たちの声にはさまざまな環境や状況によって
何らかの感情が起こり、私たちの心の表れとなって外に伝わっていく
という宿命があるのです。
伝わってもいい感情なのであれば、なんの心配もありません。
ただ、私たちも人間ですから、伝わってほしくない感情になることもあるでしょう。
そういうときは、声をコントロールすることが必要になってきます。
また 思いとはうらはらに、声が思いどおりに出てくれず、
ほんとうに伝えたい気持ちが伝わってくれないこともあるでしょう。
そういうときも、声をコントロールする力があれば 好転します。
「声をコントロールする」ということは
「感情をコントロールする」ということでもあり
「身体の使い方をコントロールする」ことにつながっていきます。
常に人に対して 自分自身の声をより良く用い、より良い感情を保ち
自分にやさしい身体の使い方をマスターすることで
「最高のおもてなし」が生まれます。
そして、「最高のおもてなし」は必ず相手に伝わり、自分自身にかえってきます。
また 「歌う」という行為の話に戻りますが
「歌うことで謙虚になる」という言葉は、おかしいでしょうか。
ここは 大らかに歌いたい。ささやかに歌いたい。
何もかもをさらけ出すように、声を出したい。
そう、こんな風に歌おう。
こんな歌い方でほんとうにいいのかな?よかったのかな?
ちゃんと、自分の中にあるこの思いを表現しつくせるだろうか?
まだまだ、違う・・・。
歌いながら、いろいろな感情が 顔を出します。
少しでも美しく感じてもらえるように表現する努力は
人を 謙虚な気持ちにさせてくれます。
私自身、日々そんな気持ちに 救われています。
まだまだ 若輩者のわたくしではございますが
そんな おもてなしの心をみなさんとご一緒に育てていきたい。。
日々 トレーニングを重ねております。
声は、私たちのかけがえのない思い。
私たち自身を伝えるために存在していることに感謝して。
思い」は声、「声」は人。
ああ、愛しいかな。人の声。
この一瞬を心から感動する術のひとつとして
みなさんが「声の流儀人」となって自分を幸せにし
人を幸せにしながら 毎日を過ごされますことを心より願っております。
2008.04.08 | 声について想う
