久佳乃Blog

翻訳を楽しむ

今日はこの尼崎にも雪が降り続けています。
温かな教室の中から窓を通して
玄関先に置いてあるヒイラギ越しに見る雪景色の通りは、
いつもよりも少しロマンチックに見えます。
この教室を開いてから、初めての景色です。

最近のわたしは特に、読書に耽っています。
思えば、こうした雪の降る日には読書はぴったりですね。
今日もページをめくる指が、忙しなく動いています。
先日、友人でもあり、こちらの生徒さんでもある方が
「きっと、ひかりさんなら気に入られるでしょう」と言って
ある本を送ってくださいました。
中を開けてみれば、厚みがかなりある文庫本が6冊と
読みきりの文庫本が1冊、所狭しとディオールの化粧袋の中に
入れられていました。
その方らしいな、と口元がほころんだのを覚えています。

その本とは、今、BSハイビジョンでも全8回で放送されている
壮大な歴史小説、『大聖堂』という物語です。
著者はイギリスのケン•フォレットという作家で
この物語もイギリスの中世を舞台にしています。
もう半分以上を読んでしまったのですが
どこに行くにも手放せない状態です。
今日にも中巻を読み終え、下巻に手が伸びそうです。

この物語を読んだ後は、その続編
『大聖堂 果てしなき世界』を読むことになると思いますが
それぞれ翻訳者が違うのも楽しみです。
読書の楽しみ方として、翻訳者を意識するようになったのは
少し前に読んだフランツ•カフカの新訳『変身/掟の前で』という短編集からです。
まだまだ未熟なわたしの読書歴ですが、
わたしの呼吸のリズムと妙に合うという印象を受けました。
翻訳をされていらっしゃるのは、丘沢静也という方です。
あとがきに書かれた翻訳に対する姿勢を読んで、より興味を惹かれます。
帯に書かれた「ピリオド奏法」という文字にも
心のはじっこを引っ張られるような思いです。

特に造語(言葉)というのは、定義された瞬間に
使っている人、またはそれを受け取っている人
それぞれの解釈が違ってくるものですので、わたしが惹かれるのが
『ピリオド奏法』と表されるものなのか、それとも
丘沢静也さんという翻訳者であるのか、それも今はわからないのです。
ただ、この方は言葉を音楽的に、身体的に表現されていることが
実にわたしには気持ちがいいのだということは気づいています。
わたしはこの「身体的に表現された文章」に特に惹かれているのです。

最初は、村上春樹さんから入ったフランツ•カフカも
意外な出会いで翻訳者であり、作家でもある丘沢静也さんと出会い、
また丘沢静也さんの世界(本)を読んでみたいという欲求にかられています。

小さい頃には図書館にも足を運ばず、読書感想文も書けなかった自分が
今はこんなに本に夢中になっているのを知って、面白いなあと思います。
これも、自分には表現したいものがあるからだと思っています。
ヴォイストレーニングで日々練った声で、
自然と調和する身体的表現をしたいのです。
自然に欲するものを吸収して、自然にそれを表現する。
今、それがわたしの生活の根幹となって、
わたしの人生を豊かなものにしてくれることに心から感謝しています。

雪が止んだ後は、春がやって来るのでしょう。
春が待ち遠しくてたまらなかったはずなのに、
冬がもう終わってしまうと思うと、少し心残りのような気もします。

HIKARI WATARI からの一言
「春にはまた新しい小曲集をiTuneにて発表できそうです」

今日も読んでくださり、ありがとうございました♪

2011.02.14 | 読書

ヴォイストレーニング 〜感性と姿勢の呼ぶところ〜

いちだんと寒い日が続いておりますが、
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
講義に出かけさせている学校の皆さんが、卒業される時期とあって
わたしはまた、少しセンチメンタルな日々を送っております。

さて、わたしが皆さんとこの「たのしい音楽教室」で
ご一緒にヴォイストレーニングをさせていただくようになって
今年の春でまる7年になろうとしています。
「7」と今書いてみて、お、インスピレーションの数字だ、と
また少し驚いてみたりしています。

先日ふらふらと美味しい場所と美味しいランチにありつこうと
夫と二人で車を走らせました。
すでに知っているお店にも、たしかに興味はあったのですが
どうも今日の私たちの"感じ"は違うようです。
こういうことはよくあるのですが、
何が"感じ"が違うのか、私たちは注意深く話し合います。
この日も、すでに知っているお店に行くことはとても簡単でしたが
私たちはそうしませんでした。
このときは、私たちに与えられた自由な時間がけっこうありましたし、
私たちには自分たちの感性を使いたいという欲求がありました。
自分の以外の他者(相手)がいる場合、
自分の感性に委ねることは多少疲れることでもありますが、
この日、私たちはそういった元気もありました。

結局、まだ足を踏み入れたことのない
とあるショッピングモール地下の駐車場へと、
一抹の不安を感じながら入ってゆくことになりました。
車を降りてからどのくらい、そのショッピングモールの敷地内を歩いたことでしょう。
どちらを向いて歩いても、私たちの気に入る場所はないように見えました。
もうここでお腹をいっぱいにしようか、
「妥協する」ということも頭に浮かびました。
それでも、やっぱり決めかねます。
ここまで来たのだから、もう少し自分たちの感覚を信じて歩こうと思いました。
顔を遠くへ上げてみると、今私たちがいる建物の向こう側に
小さな庭園を挟んで、飲食街が立ち並ぶ大きな建物が見えました。
なにしろ初めて来た場所なので、こんなに奥行きがあるということも初めて知りました。
ああ、あの先へ歩いてゆけばいいのだな、と思ったので
庭に出て歩いてゆきました。
鳥のさえずりが聴こえたり、ドイツからやって来た(と書かれている)鐘の
演奏を聴くことができたりして、ああ、ここへ来て良かったね、と
二人で話していました。

そこで、私たちは思いもよらぬ出会いをします。
なんとなく、ここだ、と誘われて入ったお店が
それはそれはもう、美味しいおうどん屋さんだったのです。
店内に入った瞬間も、一瞬違ったのかな、とまだ疑いが少し出ましたが
調理の方がお盆の上に乗った作品(この場合は、おうどんですね)を
持ってきてくださったとき、
私たちはうわぁ!と喜びの声を上げていました。
まず、目に飛び込んできたのは、おにぎりの美しさです。
白いお米がきらきらと輝いて、黒い海苔と少し振りかけられたゴマのコントラストが
また美しく、大事に大事に握られたおにぎりです。
次に、うどんの器から関西だしがふわっと香りました。
冷たくなっていた頬に湯気があたります。
これはぜったいに美味しい!
「いただきます」と手を合わせ、思い思いに箸を運ばせました。

自分たちの感性を頼りにして、この日
このように素敵なお店に出会えました。
こういう素敵な体験があった後は
何が自分を引き寄せたのかについて、また私たちは話し合います。
すると、ひとつ肝心なことに思い当たりました。
私たちが引き寄せられてやまないもの、
それは「姿勢」だったのです。

私たちは、なんといっても
その人の姿勢に心が引きつけられるのです。
あのお盆の上の料理をしてくださった方の姿勢が
あの日、私たちの心を引きつけました。
思えばこれは、すべてのことに当てはまるように思えます。
その方の心のあり方が素敵だから、そこへ足が向かうのです。

ここまで読んでくださった方の中には、
いったい、ヴォイストレーニングとなんの関係があるの?
と思われる方もいらっしゃるでしょうか。
それが多いにあるのです。
ヴォイストレーニングで培える体験そのものが「姿勢」だからです。

わたしは皆さんとご一緒に、自分の感覚を信じるということ、
信じることで報われるということ、そして
自分を信じられる人には人を引きつける力があるということを
学びたいと思っております。
ヴォイストレーニングを通してご一緒に感じられる
素晴らしき体験のうちのひとつです。
とてもシンプルで、とても大きなテーマです。

今日はこのようなひとつのエピソードになりましたが、
これからもお話で伝わることは
こちらから皆さんにお届けしたいと思って書いております。

今日も読んでくださって、ありがとうございました。

2011.02.02 | 日常


はじめまして。ヴォイストレーナーの亘理久佳乃(わたりひかり)です。
しっかり、楽しく、体で伝わるヴォイストレーニングを心がけています。
どうぞ、よろしくお願いいたします♪

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